10月末に正式に軽乗用車での貨物運送が許可されることとなりました。
黒ナンバーを取得する必要がありますが、これまで軽車輌での運送は軽トラックでしか配送が許されていませんでしたが、家庭用の軽乗用車での配送が認められるようになる為、軽トラックの購入という敷居がなくなり、個人事業での参入ハードルが低くなりました。
ドライバー不足にある運送業界において特に問題とされるのがラストワンマイルの配送でした。最後のお客様への配送についてはストップアンドゴーが多くなるため、小型での車輌の方が効率よく配送が行えるのですが、その配送を行う上ではドライバーの人数が多く必要となりますが、その配送を担う人が少ないのが現状です。
その担い手を増やすための施策として取られたのが今回の施策でした。
この施策によって今後運送業界にはどんなことが起きうるのでしょうか?
まず、配送の2極化が進む可能性があります。
個人のドライバーが増えれば増えるほどサービスの基準はバラバラになります。
アマゾンの置き配が最近酷いという事が話題にもなっていますが、更にひどい配送が行われる可能性が高くなります。個人に頼めば安くなるかもしれませんが、配送の品質を確保するのは難しくなります。
一方で現状配送を行っているヤマト運輸や佐川急便といった業者ではサービスの基準がちゃんとしており、教育もしっかりと行われている為、一定の品質を保持した配送を実現しています。価格は個人配送よりも高くなるかもしれませんが、品質としては保持できるという事です。
価格の個人か品質の企業かという2極化という事が可能性としてあります。
また、個人の参入によって配送については競争が激化し価格競争が激しくなることが考えられ、多くのWebサイトでも同様の記載を見かけます。
一方で私は価格競争については限定的にしか起きないと予想します。
理由は以下でご説明いたします。
個人の配送が今後更に活用されるようになるには品質基準の確保という事が課題となってくることが予想されますが、こちらについてはどこかの企業が元締めとなる、ウーバーのようにユーザーによる評価がされる等様々な方向性が予想されます。ただ、どういったケースにおいても間に企業のサービスが入る必要があり、企業でも儲ける必要がある為、企業が設定する価格というのはそこまで安くならないことを予想します。
また、個人自体もガソリン代を考慮して旨味がなければ配送を行わないと思われますのでその点でも価格競争は限定的になるのではないかと思われます。
そもそも現状運送業界で人が集まらない理由は長期の拘束時間と賃金が安いという点です。そこまでの参入があるかという事も疑問が残ります。
上記を総合的に考えると個人が急激に増えるという事はないように思われます。ただ運送業者としては個人と上手く付き合いながら営業していく事が今後生き残っていく為に必要な事ではないかと思います。
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